心の花束

大切な人に、心の中で、花束を贈る。

実際にじゃなくて、心の中で、花束を贈りたい、と思う。

でも、実際は、贈れない。

 

 

だって、わたしは、あなたに、傷つけられたから。

 

 

だって、あのとき、とっても、さみしい思いを、させられたから。

とっても、悲しい思いを、させられたから。

 

 

だって、わたしは悪くないから。わたしは悪くないって認めてほしいから。

「あなたは悪くないわ。わたしが悪かった。ごめんね」っていってほしいから。

 

 

そんなこと思ったら、泣きたくなるから。

泣いてるところなんて、見られたくないから。

 

 

だって、恥ずかしいから。

 

 

だって、ほんとうは、大好きだから。

 

 

だって、ほんとうは、あなたと仲良くしたいから。

 

 

ほんとうは、あなたに、ありがとうって、言ってみたいから。

 

 

本当は、あなたがただいてくれるだけで、嬉しいから。

 

 

でも、恥ずかしいし、気まずいし、かっこわるいから、実際には、花束は贈らない。

心の中で、花束を贈る。

なんでか、罪悪感を、感じてしまう。自分はやっぱりダメだって、思ってしまう。

だから、その、心の中の、花束の奥に、沈み込んでみる。

神聖な存在とともに。

 

 

今日は母の日。

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