愛する人を失う恐怖・死の恐怖

わたしは、数年前まで「愛する人を失う恐怖」というものを抱えながら生きてきました。

「愛する人を失う」というのは、もっと直接的な言い方をすると「愛する人が死んでしまう恐怖」です。

これを、10代くらいから、ずっと、持っていたのです。

 

 

波のような感じで、あるときは波が引いて落ち着いているのですが、定期的に「愛する人が死んでしまうのではないか?」という恐怖がやってきていました。

そして、布団にくるまって「助けてください」と祈ってました。

自然と、そうしていました。

誰かにこのことを話したところで・・・10代の頃は、このことを何人かの大人たちに相談しましたが、誰に話しても「そんなこと考えたって仕方がない」と言われるだけでした。

確かにその通り、考えても仕方のないことなのです。

けれども、それは「意図せず襲ってくるもののよう」に感じられていました。

 

 

大人たちに相談しても「考えたって仕方がないことなので、考えないように」「何か楽しいことでもするように」というアドバイスをもらうだけで、

わたしにとってそれは、焼け石に水のようなものでした。

そして、同時に、自分の頭で考えてみても、調べてみても、「考えたって仕方がないことなので、考えないように」「何か楽しいことでもするように」ということが、唯一の解決策のようだったのでした。

確かにその通りだとわたしも思うけれども大人たちよ、「まるで意図せずに襲ってくるように感じられる恐怖おばけ」はあまりにもリアルなのですよ、と、わたしは言いたかった。

 

 

このときは、なぜ、このような恐怖に襲われる(ように感じる)のかも、この恐怖の正体とはなんなのかも、どのようなカラクリになっているのかも、知りませんでしたが、

「神に祈る」という「最高最善の唯一の方法を実践していた」のだな、ということが、今思えば、わかります。

この恐怖おばけの正体とは、無であったということに、あるとき、恐怖おばけに追いかけられている最中に気づきました。

これは、愛する人を失う恐怖だろうが、死ぬ恐怖だろうが、お金を失う恐怖だろうが、同じです。どのバリエーションの恐怖も、おばけで、無です。不安も心配も恐れの現れ方の一つです。

あとから、理論的なところも含めて学んだことで、答え合わせとなりました。

恐怖の真っ只中にいるときは、「恐怖は、おばけで、無」と言われようが「何か楽しいことでもやってみたら」と言われようが同じことです。

 

 

「逃げずに神に祈る」

意外と、これで、良い、というか、これしかありません。

とにかく一心不乱に、本気で、神しか見てませんほどに、神を求める、神に助けを求める。

これでいい、というか、これがいいのです。

これを、火事場ではなく、普段からやる。

平和な日には「助けてください」とはなりませんが、そのときも、真っ直ぐに内なる神を真っ直ぐに見つめる。

奇跡という贈り物の贈り主である、神に心を向け続ける。

恐怖おばけとその仲間たちに、ではなく、神に心を向ける。

 

 

「愛する失う恐怖」そして「死の恐怖」も、人間では答えは出ないのです。

この恐怖の背景には「自分とはこの身体である。この身体を持った個人である。この身体の中に住む個人である」というわたしたちの信念によるものです。「わたしとは」の定義がこのような信念になってると、

「愛する失う恐怖」「死の恐怖」の外にも「老化への恐怖(恐れ・不安等)」「病気に対する恐怖(恐れ・不安等)」「お金の心配・不安・恐怖」・・・他にもありますが、このような恐怖(不安、恐れ、心配)などがつきまとうものです。

このこと(〇〇の恐怖、不安、恐れ、心配)に対する、完璧な答えも、完璧な解決策も、完璧な治療薬も、外側(この世界)にはありません。

「必ずなんとかしてくれる人」もいません。

けれども、その「とっておきの完璧な唯一の解決策・治療薬」は、自分の中にあります

自分の中には、誰にでも、「自分を超えた、自分よりも大きな何か、なんかもうものすごい何か」があって、それが、完璧に解決してくれます。

そこへアクセスする方法、その解決策を受け取るためのシステムが、祈りです。

 

 

すでに書いた通り、この「愛する人を失う恐怖」は、わたしを何度も、襲ってきました。

10代の頃から、襲っては消え、襲っては消え、ということを繰り返して、その度に祈っていました。

これは「悪を打ち負かしてきた話」などではなく、深く深く、まっすぐに、神へと向かう話です。

一つ言えるのは、神による結果は確実であるということです。

「なんだ、一発で消えないの」と思った方へ・・・なぜかわたしは今「後のものが先になり、先のものが後になる」という聖書の話を思い出しました。

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